
切手代や、ちょっとした備品の買い出し。
職場の金庫に置いておく少しのお金を「小口現金」と呼びます。
便利な仕組みですが、毎日の残高確認や、合わないときの確かめ直しに、思いのほか時間と気持ちを使っている、という方も多いのではないでしょうか。
特に介護施設では、入居者様の日用品の買い物や、医療・薬代の立替など、現金を扱う場面がたくさんあります。
この記事では、小口現金の基本と管理のコツ、そして負担を少しずつ減らしていく方法を、やさしくご紹介します。
小口現金とは
小口現金は、日々の細かな支払いのために、事業所の手元に用意しておく少しのお金のことです。
少額の支払いのたびに銀行へ行ったり、経理に振込をお願いしたりするのは大変です。
そこで、あらかじめ金庫にお金を置いておき、その場で支払いや立替の精算ができるようにしています。
よく使われる「定額資金前渡法」
小口現金の運用でよく使われるのが、「定額資金前渡法(インプレスト・システム)」という方法です。
決まった金額を前もって渡し、使った分を定期的に補充して、いつも同じ金額に戻します。
- 前渡し:経理から現場の担当者へ、決まった金額を渡します。
- 支払い:使うたびに領収書を受け取り、出納帳に記録します。
- 報告:週末や月末に、使った合計と領収書を経理へ報告します。
- 補充:使った分と同じ金額を補充し、もとの金額に戻します。
使った金額が定期的にはっきりするので、使いすぎや間違いに気づきやすいのがよいところです。
毎日の管理で大切なこと
手元に現金を置く以上、ちょっとした決まりごとが安心につながります。
保管の場所と担当を決める
- 現金は、鍵のかかる金庫で保管します。
- 金庫の鍵を持つ人と、お金の出し入れや記録をする人を分けると、お互いに確かめ合えます。
- 置いておく金額は、1週間から1か月ほどの少額の支払いに見合う程度にしておくと、紛失のときの心配も小さくなります。
使ったらすぐに記録する
支払いのたびに領収書を受け取り、その日のうちに出納帳へ記録します。
「あとでまとめて」にすると、合わないときに理由をたどるのが難しくなってしまいます。
一日の終わりに数えて照らし合わせる
一日の終わりに、金庫のお金を紙幣・硬貨の種類ごとに数え(金種表を使うと便利です)、出納帳の残高と合っているかを確かめます。
その日のうちに気づければ、原因も見つけやすくなります。
残高が合わないときは
どれだけ気をつけていても、手で数えている以上、合わないことはあります。
よくある原因は、次のようなものです。
- お釣りの渡し間違いや、数え間違い
- 出納帳への書き忘れ、数字の写し間違い
- 立替のときに、自分の財布のお金と混ざってしまった
まずはその日の領収書と出納帳を、落ち着いて一つずつ見直します。
それでもわからないときは、一人で抱え込まず、早めに責任者へ相談しましょう。会計上の処理のしかたは、顧問の税理士などの専門家にご確認ください。
介護施設ならではの、お金の負担
介護施設では、小口現金に加えて、入居者様のお金を扱う場面も多くあります。
- 日用品のお買い物の付き添いや、買い物の代行
- 訪問診療や薬局の自己負担分の立替
- リネン代や食事代などの精算
こうした費用を、ご家族から現金や振込でいただいている施設では、集金・お釣りの準備・領収書の発行・保管といった手作業も重なります。
「1円でも合わなかったらどうしよう」
「現金を預かって持ち歩くのが少し怖い」
そんな気持ちを抱えながら働いている方も、少なくないのではないでしょうか。
本当は、入居者様と向き合う時間を大切にしたいのに、という思いもあるかもしれません。
負担を少しずつ減らすには
小口現金は、一度にやめる必要はありません。
できるところから、現金を使わない方法に置きかえていくと、無理なく負担を減らせます。
備品の購入や経費の精算
備品の購入に法人カードを使ったり、経費精算の仕組みを取り入れたりすると、明細が記録として残り、数え間違いや書き写しの手間を減らせます。
入居者様の費用や立替
入居者様の自己負担分や立替のお金は、あらかじめ登録した入居者様またはご家族のクレジットカードで支払える仕組みを使う方法があります。
施設が現金を用意して立て替えたり、集金したりする場面を減らせます。
進め方の一例
- 今、どんな支払いに小口現金を使っているかを書き出す
- 支払いの種類ごとに、置きかえ先(法人カード・振込・決済サービスなど)を決める
- 一部の支払いから試し、困ったことがないか確かめる
- うまく回るようになったら、手元の現金を少しずつ減らす
まとめ
小口現金は、すぐに支払えて便利な一方で、記録や照らし合わせ、現金を預かる緊張など、現場の方に見えにくい負担をかけてきました。
使い方を見直し、できるところから現金を使わない方法へ置きかえていくことで、負担は少しずつ軽くなります。
こうした手間を減らす仕組みとして、介護施設向けの決済サービス「QOLC(コルク)」があります。
医療・介護サービスの自己負担分をカードで支払えるようにし、リネンや給食などの立替や、小口現金の管理を減らすお手伝いをしています。
導入の検討段階でも構いません。お気軽にご相談ください。
